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首都圏外郭放水路:地下神殿やポンプ室の見学ツアーに参加してきたよ

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以前から気になっていた、地下神殿こと「首都圏外郭放水路」を見学してきました。

近年は台風被害が大きくなっているじゃないですか?さらに、2019年からはポンプ室も公開を開始したとのことから、一度は見ておかねばと思い立ったわけです。

 

申込み方法

一ヶ月前の同日から(個人)、ウェブサイトで見学ツアーの予約を受付けています。

https://www.gaikaku.jp

 

但し、見学場所は現役で稼働している排水機場であるため、大雨によって雨水が流入すると、排水を完了するまでの数日間は見学ツアーが中止となったり、見学範囲の一部が制限されたりします。

私が見学した日の場合、大雨の影響で、一昨日まで地下神殿内の排水をしていて、前日の午後3時のコースより見学を再開したとのことでした。

運に頼るしかありませんね。

 

ツアーの種類

2919年9月現在、ツアーは3種類!気軽に参加できる! 地下神殿コースが、比較的直前まで予約しやすいです。

 

迫力満点! 立坑体験コース

調圧水槽(地下神殿)に隣接する第一立坑の内部を、作業用通路を歩いて見学します。

安全帯ハーネスとヘルメット着用、さらに同意書必須のガチなツアー。

 

深部を探る! ポンプ堪能コース

14,000馬力のガスタービンを用いた排水ポンプの見学が含まれたツアーです。

ポンプのインペラ(プロペラ)を直接見ることはできませんが、ポンプ室の巨大さと撮影禁止のガスタービンは必見!

私はこれに参加しました。

 

気軽に参加できる! 地下神殿コース

調圧水槽(地下神殿)と第一立坑をサクッと60分で見学するコースです。

取り敢えずで見るなら、費用も手軽なこれですね。

 

行き方

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都内から春日部駅までは想像していたより遠くて、浅草駅から特急きりふり号で急ぎました。余裕を持って起床したつもりが、普通列車では間に合わない!

遅刻すると、参加できません。。。


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寄り駅は、春日部駅から乗り換えて東武野田線の南桜井駅。


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北口から、集合場所である庄和排水機場「龍Q館」を経由するバスが出ています。(大人200円)

北口にはスーパーのヤオコーがあるので、ここでドリンクを購入しておくと◎

帰路に調べると、春日部駅の東口からも、龍Q館に行くバスがありました。

 

龍Q館(庄和排水機場内)

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ここが、江戸川に面した場所にある庄和排水機場という施設。東武浅草駅から2時間ほどかかりました。

近いようで遠い、春日部市。

なお、龍Q館の表示が小さいので、建物がわからず少々焦る。


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龍Q館は、庄和排水機場の2階でした。

ここで受付け(カウンターで氏名を言う)と、現地払いを選んだ私はお支払い。奥にあるシアターで概要を観たら、スタートです。

 

見学スタート

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首都圏外郭放水路を運営する国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所(長いね)の管轄は、江戸川・中川・綾瀬川の3河川。

そんな話と、首都圏外郭放水路の建設や機能についての説明があって、いよいよ施設の中へ。

ここから1時間30分の間はトイレに行けないので、移動前にトイレ休憩があります。

 

ポンプ室

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これが、鬼怒川が結界した「平成27年9月関東・東北豪雨」の際に、中川・綾瀬川流域の雨水19,000立方メートルを4日間で排水したポンプです。

稼働中は見学できない場所ですが、排水ポンプを駆動する4機のガスタービンの音を聞いてみたい。


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かなりの音がするらしく、壁の通風ダクトには消音パネルが取り付けてありました。

コンサートホールっぽいですね。


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この箱の下に歯車を介してインペラと呼ばれるプロペラがあって、調圧水槽に貯まった水を江戸川の方に汲み上げます。

1台で、50立方メートルの水を1秒間のうちに14メートルの高さまで上げるというから、凄まじい能力。

それが4台で、200立方メートル/秒!!

そのインペラの重さは、なんと35トン。水が無い状態で空回しすると、軸が焼き付いてしまうそうです。

エンジンもインペラも、排水ポンプとして世界最大級。

 

なお、見た目は綺麗な場所なんですが、油とカビのニオイが漂っているので、嗅覚が敏感なひとは気持ち悪くなるかも。

敏感なひとはマスクを。

 

排水ゲート

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地上に上がって見るのが、排水ゲート。

ポンプと江戸川の間にある、水の出入りを管理するための水門になります。


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ポンプ室もでしたが、ここではスタッフさんが説明をしてくださるので、機能をよく知ることができます。

主だった設備は埋設されていますが、機械好きには堪りませんよ!(ほんとか!?)

ちなみに、写真に映るアーチには、ゲートを動かすための大きなチェーンが格納されています。

この排水ゲートでは、台風シーズンである6〜11月の間には毎月点検が行われていて、それ以外の月では2ヶ月に一度の点検が行われています。

そんな説明を聞いた後は、5分ほど撮影タイム。

 

地下神殿(調圧水槽)

排水ゲートの見学が終わると、ついに地下神殿へ。


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途中に見えるサッカー場。

そうだろうなーと思っていたら、案の定この地下に神殿。


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サッカー場の端にある入口から、イン!


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合計116段の階段を降りると、地下神殿に到着です。


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広い!

地下22mの位置にあって、長さは177m、幅78m、高さは18mもあります。


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この柱は1本で約500トンの重量をもち、それが59本もあります。

なぜ、柱だけでこれほど大きく重いのかというと、地下に埋もれたコンクリート製の地下神殿が、地下水からかかる揚力によって、浮き上がらないようにするため。

天井上にある土砂の重量も使って、抑えつけているんですね。

 

ちなみに、「ポンプ停止水位」はインペラの上端の高さになります。この水位まで排水した後は、別のポンプで倉松川に排水しています。


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見学範囲の足元は綺麗ですが、本来はあたり一面が汚泥。見学ツアーのために人力で清掃しているんですって!

 

とはいえ、地下神殿内の汚泥は溜まる一方。

年に一度、クレーンでブルドーザーを降ろして、除去しているとのこと。

その汚泥は、スーパー堤防の資材になります。

 

楽しかった?

仮面ライダーなどにたびたび登場する地下神殿。ロケ地としての面白味や、スケールの大きさからくる驚きよりも、「治水技術」の凄さに興味が移りました。

立坑を使って地域の洪水を集める!国道16号線の下に6.3キロの一級河川(トンネル)を作った!、回転数を自在に制御できるガスタービン!調圧水槽って水のタンクではなくて排水をスムーズにするためだったのか!

ガイドさんが説明してくれるから、よく分かるんです。


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屋外には、トンネルを掘った際に使ったシールドマシンの面盤(ドリル)を展示。

 

施設や設備の機能を知ることで、見学がますます楽しくなりますよ。

 

写真・動画撮影

ポンプ室のガスタービンと地下神殿に降りる階段の途中以外は、写真・動画の撮影OKです。

ジンバル(バランサー)を使って、スムーズな映像を撮影してきました。

詳しくは動画で!

 

 最後までお読みいただきありがとうございました。