「生まれも育ちも葛飾柴又」、この映画の台詞から、多くの日本人が名前を知るであろう柴又が、重要文化的景観に選定するよう答申されたそうです。答申≒選定みたいなので、決まりでしょう。
なお、重要文化的景観に選定されると、開発に一定の規制がかかり、保存活用に国の補助が受けられます。
本当の柴又って?
でも、映画の中の柴又と現実は違うんじゃないの?ドラマや映画って、けっこうそういうところがありますよね。実際のお店とは違う設定で登場したり。柴又はどうなんでしょ。
そこで、同じ生まれも育ちも葛飾区のワタシ野良猫が、改めてざっくりとまとめてみました。
柴又駅
京成金町線、柴又駅が帝釈天の最寄り駅になります。都心からだと、京成線高砂駅で乗り換えますが、この金町線は、高砂駅ー柴又駅ー金町駅の3駅しかありません。お隣の金町駅は、東京理科大学のキャンパスが開設されて以降、葛飾区で一番ホットな町と言われています。
この金町線は、江ノ電ほどでは無いにせよ、住宅の庭先を通っていきます。上りホームと下りホームを渡るのは、線路上を歩くという、都内ではなかなか見ない作りになっています。
駅前で二人がお出迎え
駅前では、寅さん🐯と桜🌸がお出迎えしてくれます。桜🌸は近年になって加わりました。
多くの方が、ここで寅さんや桜と一緒に記念撮影をされています。
ちなみに、桜の目線の先には寅さんです。
駅前から進むと、懐かしい感じのお店が軒を連ねています。今川焼き、焼きそば、ラーメン、寿司、焼き鳥、モツ煮に煮卵、そして写真にある駄菓子屋。
既にこの辺りで何か食べたくなりますが、参道にも辿り着いていないので我慢!
帝釈天参道
そして直ぐに、帝釈天の参道に入ります。駅からここまで、誘惑が多い道ですが、寄り道しなければ1分ぐらい。
左右に天麩羅屋さんを見ながら進み、柴又街道の信号機を渡ります。
すると、ザ柴又!という風景を見ることができます。お団子、お団子、お団子!
草団子のお店がとても多く目に付きます。お店によって、薄かったり濃かったり緑の色はさまざま。
元々は、江戸川の河川敷で摘んだヨモギを練りこんでいたそうですが、近年は違うようです。とはいえ、河川敷は、犬が散歩していて頻繁に落し物をするから、個人的には使っておらずホッとします。30年ぐらい前は、近所のおばちゃん達がヨモギを摘んでいるのを見かけたし、多くのイナゴ達が佃煮になっていました。
しかし近年はそんな光景は見かけませんね。
高木屋老舗
草団子や田楽は食べ歩きができるんですけど、店内で食べるのがおススメ。お茶を飲んで🍵ゆっくりしましょう。
一押しは、参道に入ってすぐにある高木屋老舗です。長らく「タカギヤシニセ」だと思っていたら、「タカギヤロウホ」でした。。。
前払い方式で注文し、チケットを受け取ります。くず餅や草団子の他に、夕方近くには売り切れ必至の茶飯も美味いです。
テーブルに付いたら、置いてある湯呑みに急須でお茶を注ぎましょう。よく急須が空になっているので、その時は遠慮なく声掛けOK。
「お姉さん、お茶お願い!」
店舗は「男はつらいよ」の初期作品で使われた場所であり、当時の写真が掲げられています。
とはいえ、いくつかあるお団子屋のほとんどが、いずれかの作品で使われているようです。撮影に際して、特定の店舗を贔屓せずということなのか。
テーブル席の他に座敷もあって、大勢でもゆったり座れます。もちろん、お手洗いも男女別に完備。
草団子
くず餅
草団子は、鮮やかな緑色をしていて、見るからに美味しそうです。その日の朝に突いた団子だから、ぷにぷにとても柔らかい!
反面くず餅は適度な弾力があって、黒蜜にきな粉を絡めて頂くと、濃厚な甘味と素っ気ないくず餅が絶妙です。くず餅は、何も付けないと微妙な味ですからね。定番ですけど完璧な組み合わせです。
唯一の気掛かりは、隣にくず餅の名店 船橋屋があることでしょうか。このくず餅はもしかして?味は似てますが、仕入れてる?
団子をこねこね、実演をされている店舗もあります。見ての通り、高木屋の草団子とは、明らかに色が違いますね。店舗によって個性がはっきりありますね。
混雑は?
3連休中の柴又帝釈天の参道は、こんな感じに混雑しています。とはいえ、正月じゃない限りベビーカーは押せる程度ですよ。
これが夕方になると、だいぶ空いてきます。帝釈天周辺は、店仕舞いが早いんですねー。日が暮れると、全て閉まってます。
他にもさまざまなお店がある
懐かしの品を売るおもちゃ屋
鯉の洗い・鯉こくを出す川魚料理屋、
川千家。
店先には生け簀があって、鯉が泳いでいます。
他にも、
包丁の音が愉快な飴屋さん
お店で一枚一枚焼く煎餅屋さん
漬物屋さん
蕎麦屋さん
仏具屋さん
などが軒を連ねています。
また、参道の最後にはお手洗いがありますから、柴又駅で行きそびれてしまった方はここで。
帝釈天(題経寺)
江戸時代初期に創建され、庚申信仰で参拝客が増え、規模を拡大してきました。
この門は、色彩こそありませんが彫り物が多く、上を見ると見応えがあります。登れると良いんですがねー。
境内の内側から見ると、見事な波🌊が彫られていますよ。
いざ、境内へ。
境内は、釈迦堂などを改修し移築しながら、新しいお堂を建てて整備してきたそうです。
そのせいか、本堂の周りが複雑に入り組んでいます。特に裏側は、未だにワタシはよくわかってません。墓地もあるそうなんですが、全体像が謎。社務所から本堂のに続く、頭の上を通る空中回廊があったりします。
昔は吹きさらしでしたが、窓がつきました。本堂は誰でも参拝することができます。ただし、敬意は払って!
玉垣には、名優 渥美清さん倍賞千恵子さんのお名前を発見。どこにあるかは、探してみてください!
ちなみに、妹である倍賞美津子さんに、「お仕事は何をされている方ですか?」とお聞きしたのは、結婚前のうちの嫁チャンです。その後、自宅にお招きしたそうなので、面白いと思ってくれたようですが💦💦
最後は矢切の渡し
江戸時代から続く、私設の渡し船です。
観光化されていますが、ご覧の通り、私設は私設でも、個人でやってます、、、という感じを受けます。この、昔ながらの感じが良いですね。
大人は片道200円となります。
お客様が少ないときには、なんと自転車も載せてもらえます。これぞ、生活に寄り添ってきた渡し船。観光化されても本質は変わりません。
定員は31名、とは言え定員近くまで乗ると、ギッツギツです。転覆しないか不安になってきます。
でも、そこはベテランの船頭さん。船が出て仕舞えば安定した梶さばきで船を進めていきます。
さて、向かい側の矢切には、船着場にこのような売店こそあれ、はっきり言って何もありません。
でも、土手の上に立つと、空がとても広い。江戸川の幅の広さを感じますね。
春には一面のキャベツ。
夕陽がすごく綺麗ですが、柴又に戻る場合には、帰りの渡し船の時間に注意しましょう。少し歩きますが、北総線の矢切駅があります。里見公園の方まで行けば、歴史のある神社や遺跡、史跡を訪ねることができますよ。
他にもあるんです。
寅さん記念館や、旧山本亭など、楽しめるところはたくさんあります。
丸一日楽しめる柴又エリア、下調べが無くても十分たのしめますから、思い立ったらぜひ遊びに行ってみてくださいね。
- 京成金町線 柴又駅からすぐ
- 矢切の渡しの船着場は、帝釈天から江戸川へまっすぐいくと、辿り着きます。