この記事では、文京区本郷にある東京都水道歴史館をご紹介しています。
各家庭に水を届けるために、今日までに地下に網の目のように張り巡らされた「水道」は、江戸時代から本格的に運用されました。玉川兄弟の名前は、歴史か日本史の授業に出てきて覚えていませんか。
東京都水道歴史館は、文京区本郷にあってかつては名水で名高い御茶ノ水、そして神田上水を渡していた水道橋からも近くて、水道を学ぶのには最適な場所にあります。
入場料は無料です
この日の入場者はとても少なく、というか私の他に入場者は5組もいなかったかも。
入場料は無料ですから、もっと入場者がいてもいい気がしますが、当たり前のように自宅にある水道です。やっぱりテーマが地味なんですかね。
展示は2階からスタート
入場料は無料ですが、受付でお姉さんからパンフレットを受け取ります。音声ガイドも無料ですから、借りておきましょう。
案内板に書いてあることより詳しい説明を聞くことができますから、時間があるなら聞くと良いですよ。
順路は二階から
2階に上がると、地中に埋まっていたという木樋(もくひ)がドーンと横たわっていました。江戸時代に使われていた本物です。気をくり抜いて造られています。木材でもこんなにしっかりしているんだという印象で、江戸大工の手仕事は凄い。
これは、東京駅の敷地にあった大名屋敷跡から発掘された木樋。丸の内は大名の上屋敷が建ち並んでいましたからね。北町奉行所も東京駅日本橋口のあたりにありました。
これはかなり良い常態で発掘されたようです。
この写真は、現在の汐留シオサイトです。かつてここには、仙台伊達家等大名3家の屋敷がありました。建設工事までに大々的に調査され、上水の木樋がありのままの姿で埋まっていました。
江戸時代には、すでに水道が整備されていたんですね。江戸は、水が出るまで井戸を掘ったり川の水を桶に入れて汲んだりはせず、上流の河川から水を引き、木樋を使って都市の中まで通していました。
1階は明治以降の近代
1階の奥は、明治以降の水道の歴史が展示されています。
ここに龍の頭のついた水栓があって、古くてダサいんですが、とても貴重なんです。
大正期のこの水栓にある龍ですが、龍は蛇とも呼ばれていました。龍の口から水が出るのか、龍の頭を捻るのかはわかりませんが、
蛇口の語源はこれ!
もしもデザインが龍ではなく亀だったら、現在では亀口と呼ばれていたかもしれませんね〜。
ダム用の水道管
手前は、ダムから送水するのに使うなんと直結2,800ミリの鋼鉄製水道管。東京の水瓶である小河内ダムからは、この水道管でとてつもない量の水が区内に向かって流れているのだ!
これだけ太ければ車が通れますよ。
最後にラウンジでアンケートを記入して、ピンバッチをゲット。特に使い道は無いんですけど、記念ということで。さらに、音声ガイドを返却する際に「東京のお水が飲みたい!」と言うと、東京の水道水入りペットボトル(脱塩素済み)が貰えます。まぁ、普通に小っ恥ずかしいので「東京の水をください」で大丈夫ですよ。
水の歴史館 まど
押したり捻ったりするだけで水が出る水道ですが、世界を見ると水道が無い地域というのはまだまだ多いんです。世界では7.7億人しか安全に水道水をのむことができません。(平成26年国交省資料)日本でさえ、平成27年の調査で270万人に水道が届いていません。
日本だって、江戸時代から使っている水道の文化がなかったらどうなっていたことやら。素晴らしい上水システムを運用していた先達に感謝したい、そして、水道を維持する東京都水道局にも感謝したい。
色褪せてる?
No!そういう色です!( ー`дー´)キリッ
See you again.
[DATA]
- 東京都水道歴史館
- 文京区本郷2-7-1
- 御茶ノ水駅、水道橋駅、本郷三丁目から散歩がてら徒歩で行こう!
- 江戸時代から現代までの、江戸・東京の水道の歴史|東京都水道歴史館|ホームページ