モノマチイレブン、最後の記事はお香作りです。
台東区のイベント「モノマチ」では、町工場以外にもたくさんのショップや工房が参画しています。薫物屋香楽(たきものやからく)さんも、そんな一カ所。
日常的にお香に触れているわけではありませんが、パンフレットを見ていると、むくむくと興味が湧いてきました。
こちらで行われているのは「お香作り」。
体験中に同席した女性の話しを聞いていると、昨年も大人気だったとか。確かに、途切れることなく体験希望者が来店していました。
さて、わたしのお線香の香りはいかに。
前回の記事はこちら。
薫物屋香楽
薫物屋香楽(たきものやからく)さんは、お香の専門店。ただし、単にお線香を販売しているのではなく、自分で調合して作るための材料も販売されていて、店内で教室も開催されています。
場所
鳥越神社の北にあって、電車では都営浅草線の蔵前駅が最も近くなります。
ワークショップ
ワークショップは4種類、いずれも体験料は1,000円。
- 匂い袋(香る和の袋)
- 練香(熱して香る)
- 塗香(粉を手や服に塗って香る)
- 線香(燃やして香る)
どれも楽しそうですが、自宅にお香立てがあったのを思い出して、線香にしました。10年以上前に、京都御所近くの山田松香木店というお店で購入したものが、お香もほとんどそのままに残っていました。。。
なんと、2015年に東京の半蔵門にも出店され、毎週火曜日・金曜日に匂い袋または練香の体験教室を開催中とのこと。(体験料2,000円、3日前までに電話で予約)
店舗のご案内 半蔵門店 - 株式会社 山田松香木店|江戸時代から続く京都の老舗香木専門店
さまざまな薬種・香原料
漢方薬として聞いたことのあるものから、高級木工品の材料まで、意外なものがお線香の材料となります。お香の世界を知らない身からすると、どれもなかなか良いお値段がするもの。確かに、ひと箱数万円のお線香もありますものね。
お線香の材料となる薬種・香原料を、ひとつづつ焚き上げて香りを確認します。好きな香り、嫌いな香りを確かめておいて、最終的に乳鉢に投入する量を加減します。
「これ好き!」
と感じた香りは残念ながらひとつも無く、ダメな香りが本当にダメ。自分には、お線香の香りが向いていないかもしれない。。。と思いながらも乳鉢へ。
練る
投入した薬種・香原料と同量の椨粉(たぶこ)をつなぎ代わりに入れて、投入したスプーン1杯を1㏄に換算して水を入れます。
わたしは、16㏄の水を投入。
そしてひたすら練る。
麝香(じゃこう)
仕上げに、動物性の香原料を混ぜます。
麝香鹿の麝香か、海狸香(かいこうり)と呼ばれるビーバーの香嚢から取った香料のいずれか。ニオイ香りを確認して、ビーバーを選択。
動物性のものは、直接嗅ぐとなかなか強烈でした。
でも、この香りが奥深さを出してくれるという。
カタチを整える
最後に、粘土のようになった線香のカタチを整えます。あまり大きくするといつまでも煙が出ていることから、なるべく小さく。
普段から妻チャンのマニュキュアを塗っているわたしには、これは朝飯前。ギュッと握って空気を抜いて、指先でカタチを整えたらころころテーブルの上で転がして仕上げ。
完成です。
良い香り
その後、自宅で乾燥させてたのですが、窓から入ってくる風に香りが乗って、お部屋の中がすごくいい香りに。
作っていた時には感じませんでしたが、乾燥してみると、ほのかに香って気持ちが落ち着きました。いまさらながら、「良い香り」。
作っているときには、目の前に材料の粉が舞い上がって、香りが強すぎたみたいですね。
一度作った香りを気に入って、同じものを求める方が多いとのこと。そんな時のために、調香表を残しておくと再現できますよ。
モノマチイレブンの感想
革製品だったりノートだったり、日常的に使っていますよね。でも、それがどのように作られているのか、想像することはほとんどありません。
一消費者でいる限り知る必要の無いことですが、製品の裏側を知ることによって愛着が深まったのは事実。そして、モノマチでは楽しく体験することで知ることができる!
後日後輩の女性にモノマチのことを話したら「来年は声をかけてください!」と、普段の様子からは考えられない返事が。
そう、このイベントで見かけたのは、多くの女性。町工場からは男性を想像してしまいますが、多くの女性に支えられているイベント。
このようなイベントを開催できる下町台東区は、本当に素晴らしい町かもしれない。そんなことを思ったアガシンでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。