自分で作った革のコインケースを前に、ひとり悦に入ってしまいました。モノづくりのイベント「モノマチ」では、各種モノづくりを体験することができます。
台東区南部に多いのは、皮革を扱う問屋や町工場。
そう、革のコインケースも、自分の手で作ったもの。この記事では、モノマチのワークショップで作った革のコインケースをご紹介します!
前編はこちら
コインケース作り
三筋にある「浅原革漉所」さんで見つけたのが、革小物を作るワークショップです。数ある革小物の中でも、気になったのがWコインケース!
製作費1,200円+材料費1,200円ということで、これは作りたい!
(右下の赤いコインケースは、このワークショップでわたしが作ったものです。)
革探し@蔵前「マルジュウ」
「浅原革漉所」さんは革漉き専門なので、革は革屋さんに仕入れに行くという本格派ワーク。といっても、徒歩5分ぐらいで革販売の「マルジュウ」さんに到着。
ワークショップ用の革は外にあったのですが、「気に入るものがなければ中のものでも良いよ~」という気前の良さ!
でも、外にあるのは良い革ばかり。
それはそうだ。
他の革屋さんでお話しを聞いたとき、無造作に置いてある革を指して「エルメスに卸されているのと同じだよー」と平気で言っていたんですよ。つまり、高級な革がごろごろあるってこと。
ヴィトンのメンズライン「タイガ」を赤くしたような上質な革があったので、一目でこれに決めました。
革を断裁する
ざっくりとカッターで切ってもらって、それをプレス機を使って金属の抜型で抜きます。プレス機は安全のために両手で操作が基本!
このように、コインケースの型にうまく抜けました。
良さそうな革でしょ!
コインケースの材料となる革を持って、ふたたび浅原革漉所さんへ移動。
革を漉く(すく)
戻ってみると、革漉屋さんは大勢のちびっ子でごった返していました。でも、革を手にしたわたしの行動は早い!
サッと奥さんに申し込みをして、作業場の方へ。
見学の方や、次にワークショップを行う方に囲まれて、革漉体験。作業中は写真が撮れず、この写真では分かり辛いのですが、革漉機に革を通すことで、革をスライスして薄くしていきます。
ぺらっぺらに削った革(普通はここまで漉きません)を触らせてもらうと、透けて見えるほど薄いことにびっくり。なんと、機械の中にはベルト状の刃が回転していて、0.05mmの厚みにまでスライス(漉く)することができるそうです。
それでも、難しいのがこの革漉。
革は動物の皮膚であり、1頭毎に生育状況が異なれば、厚みも異なります。また、部位や生前のケガによる傷跡などによっても厚みが異なり、革の厚みを測りながらこまめに機械の目盛りを調整して漉いていきました。
とは言っても、目盛りの調整などの基本的なことは職人さんのお仕事。それでも、革に手を添えて革漉機の中に通すだけで、十分に「自分で作っている」気持ちになってきますよ。
そして、蛇腹になるマチの部分はさらに薄く。
市販のコインケースに、このように革の厚みに変化をつけるほど手間をかけているものは、まず無いそうです。
ホックとカシメ
コインケースの開閉に使うホックと、マチ部分を留めるカシメを選びました。黒・銀・金の中から、ホックは金、カシメは渋い黒で。
工具の間にカシメを挟んで圧着するわけですが、ずれると折れてしまったり革を傷つけてしまうので意外と難しい。そして、それなりに力も。
ホックを1本曲げてしまい、
革に傷が!!(泣)
わたしの次に挑戦した女性の方が上手でした。
それでもなんとかコインケースが完成!革がしっかりしているから、完成するとなかなかの高級感がありますよ。
今更ながら、二つ作ってもよかったかも!?
箔押し
台東区には、箔押しの町工場もあるんです。パンフレットを見ていると、少し離れた小島2丁目に、「田中箔押所」さんがありました。
パンフレットにある説明によれば、「当日は、ノートや革小物に名入れをします。」とのこと。
これだ!
その他のモノマチ
新御徒町駅、佐竹商店街の方に歩きながら、途中にあるモノマチ町工場をチェック。
高橋紙工社のメモ帳
ノートなどの製本加工を行っている高橋紙工社さんでは、バンクペーパーを使ったメモ帳を購入。正価800円のところ、モノマチ特価300円!
バンクペーパーは、その名の通り、銀行の帳簿用に開発された用紙で、柔らかでインキ吸い込みが良いのが特徴です。書くと、ペンがとても滑らかで筆記事務に最適。
このメモ帳には、三菱製紙のバンクペーパーが使われていて、一枚毎に「THREE DIAMONDS」の透かしが入っています。かつて三菱銀行が、社内用として三菱製紙に特注したことに始まる用紙なんですよ。
菁文堂(株)のノート自由カット
菁文堂さんでは、好きなサイズにカットして作るノートを販売。
台東デザイナーズビレッジ
旧小島小学校である台東デザイナーズビレッジには、クリエイターを目指す若手が入居していて卒業販売などが行われていました。しかも、特価もある!
箔押の田中箔押所
途中、いくつかのモノマチ町工場を巡りつつ、目的の田中箔押所さんに到着。店頭には持ち込みの箔押しに関して表示はありませんでしたが、確認するとOKとのこと。
でも、、、、
出来立てのWコインケースは、シャキッとして厚みがあるので難しい!
通常は、依頼を受けてその場で作業することはなく、仕上がりまで3日~4日は必要とのことです。モノマチ期間だけは特別!
でも、難易度の高いアイテムの場合は、断っているそうです。というのも、時間がない中で作業をするので、特に難易度の高いアイテムの場合は失敗するリスクがあるから。過去に、その場で泣いてしまったり、ネットに誹謗中傷を書き込んだ心無い人がいたとか。
一点ものの場合は、数日我慢して預けた方が間違いがありませんよ。
お父さんにレバーを操作してもらって、二人三脚で箔押し。
ご面倒をおかけしました!
費用は多めに1千円を預けてきました。
オリジナルの素敵なコインケースが完成。
モノマチ、楽しすぎる。
次回がラストです。