この記事では、20年間に渡って人形町に通っている私が、街並みとランチの本当に美味しいお店をご紹介しています。
- 前半 町の歴史と街並み
- 後半 ランチが美味しいお店
▼この先にある目次から目的のお店に飛べます。
2010年の「新参者」放送開始以来の聖地である日本橋人形町のランチと街並みを、写真とマップでご紹介します。ドラマファンはもちろん、そうでない方も、街を歩いて美味しいものを食べて、人形町の風情に触れてみましょう。
人形町は、特に「麒麟の翼」の公開以降、目に見えて観光客が増えてきたように思います。今回、映画版新参者シリーズ2作目にして完結編「祈りの幕が下りる時」が公開したことを記念して、改めて人形町を歩いてみました。
江戸初期には元吉原として栄え、大火後は芝居小屋が建ち並び、昭和には芳町と呼ばれて三味線の音が絶えなかった人形町を、地元目線で見ていきます。
それでは、初回ということで1丁目からレポートします。グルメをご覧になる方は、目次から「おすすめの飲食店」をクリックして下さいね。
人形町散歩&グルメマップ | 本日ご紹介する場所はこちらにあります。
人形町一丁目界隈の街並み
人形町一丁目1番1号
まずは、人形町一丁目1番1号から。岡安グループさんのビルが建っています。
右側は人形町、左側は日本橋川方向で、住所は小網町となります。
一丁目の中では、このブロックが個人的には一番面白くって、江戸末期には姫路藩酒井氏の屋敷があり、維新後には西郷隆盛の屋敷があった場所になります。
小網町公園と東堀留側
小網町9−1
今は公園ですが、かつてここを起点に、日本橋川から分岐した東堀留川があって、そのため、特徴的なカーブを持つ道路があります。
東堀留側沿いのカーブ
東堀留川は入堀(先が行き止まりとなっている)で、川添いには倉庫や問屋が多くあったようです。
かつての東堀留川沿いにある一級建築士事務所のアーキテクツオフィスさんの事務所ビルは、織物問屋の建物であり、非公開ですが、船から荷揚げするために使っていたクレーンのフックが残されています。
一階はカフェとなっていますので、歴史ある建物に入ることができますよ。
そろそろ、人形町に戻りましょう。
谷崎潤一郎生誕の地
東に進むと、作家 谷崎潤一郎氏の生誕地があります。いまは、その名も「谷崎」という洋食屋さんがありますが、生誕当時は活版印刷を営む印刷場だったとのことです。
なお、谷崎のランチは、なかなか美味しい。
人形町1丁目7−10
芸者新道
人形町郵便局横の路地を入ると、
そこは「ザ・人形町」。
地元では「芸者新道」
という名前で呼ばれています。
左側のお店「きくや」さんは、ドラマ新参者にたびたび登場した「まつ矢」、映画「祈りの幕が下りる時」で最後に阿部寛さんが入ろうとして休業だったところです。ちなみに、ハイヤーが列を作る高級割烹料理屋さんで、地下室に酒蔵があります。
この通りを奥へ進むと、登録有形文化財となっている建物があり、かつては置屋(芸者さんの待機所)として使われていました。古い時代を知る人によれば、昼間はお稽古の三味線の音色が聞こえていたとのことです。
今は「ねぎま鍋」で有名な「よし梅*」の店舗になっていて、すごーく高いですがランチを食べることができます。*後述、本店は庶民的。
この路地は、文庫版「麒麟の翼」の表紙にもなっていますよ。夜の雰囲気が格別です!
東京メトロの「Find My Tokyo 人形町」の撮影もこの通りでした。まだ、堀北真希さんの時代です(涙)。
また、この通りにある「日本橋カフェスト」というカフェでは、フリーWi-Fiと電源がありますよ。(人形町1丁目5−10)
▲人形町通りから「芸者新道」入ると、入り口横には「大観音寺」があります。本堂は2階にあって正面には目立つ階段がありますので、ここを「芸者新道」の目印にしてくださいね。
2017年4月7日(土)には「花まつり」が開催されていて、「大観音寺」を参拝したら甘茶と人形焼をいただきました。無料のくじ引きも行われていて、当選者はその場で人形焼やゼイタク煎餅を受け取っていました。参拝するだけで貰えるなんて、ぜいたくなイベント。
芸者新道を通り抜けると視界に入ってくるのが、日本橋小学校です。
スタート地点(人形町一丁目1番1号)の裏になります。西郷隆盛邸があった場所であり、正門の左側に案内板が設置されています。
ちなみに、日本橋小学校と書きましたが、小学校、幼稚園、図書館、プールが一体となった、てんこ盛りの学校です。会社帰りにプールでひと泳ぎも可能!
人形町1丁目6−3
人形町のお土産
手ぬぐいの「ちどり屋」
たくさんの絵柄の手ぬぐいを取り揃えた「ちどり屋」さん。四季折々の綺麗な手ぬぐいに、手ぬぐいのイメージが変わります。
額縁に手ぬぐいを入れて飾る方もいるぐらい。
手ぬぐいのちどり屋|日本橋人形町にある注染手ぬぐいの専門店。
人形町1丁目7−6
人形町でおすすめの飲食店
さて、お待ちかねの飲食店、特にランチタイムにおすすめのお店をご紹介します。
人形町は、美味いものを食べさせてくれるお店がたくさんあります。いずれも、古くから営業されている老舗ばかり。
それでは、人形町1丁目のおすすめの飲食店!
親子丼で有名な「玉ひで」
まずは、超有名なところから。
軍鶏鍋よりも親子丼で名前が知られた「玉ひで」。甘い親子丼は絶品ですが、待ち時間と比較してサッと食べ終わってしまうのが悔しいところです。
開店は11時30分で、13時30分までに並ぶ必要があります。土曜日は行列が酷いので、平日の雨の日がお勧め。
近年、羽生PA上り線「鬼平江戸処」にも出店しました。
人形町1丁目17−10
玉ひでの姉妹店「江戸路」
玉ひでの主人の妹さんが経営されている、焼き鳥屋です。人形町駅A6エレベーター直結。1階はカウンター15席、2階にテーブル35席があります。
こちらは、夜は焼き鳥屋で、ランチは焼き鳥丼を中心としたメニューがあります。焼き鳥丼の中でも、店名を冠した「江戸路丼」は、塩とタレのミックスとなっていて二種類の味を楽しめます。タルタルソースたっぷりのチキン南蛮定食もおすすめ。
玉ひでの姉妹店、鳥専門店だけに、備長炭で焼く焼き鳥は最高です。夜は、東京軍鶏、名古屋コーチンなどの焼き鳥が楽しめます。
ランチの営業時間は、11時20分から13時30分LOです。
人形町1丁目19−2
江戸前寿司の「太田鮨」
芸者新道を小学校側に出たところにあります。
カウンター席と座敷にテーブル1つの小さなお店ですが、手間暇掛けたネタが美味い!
手掴みで頂くめちゃウマ寿司ランチ。
最近行ってませんが、2,000円ぐらいだったはず。
人形町1丁目5−2
ねぎま鍋が有名な「よし梅」
こちらも、芸者新道にあります。
テレビでは、ねぎま鍋が取り上げられますが、冬のお粥がお勧め!海老や帆立、牡蠣、数種類から選べるお粥が超絶美味い!
他に、お刺身も美味しいですよ。
人形町1丁目18−3
詳しくは、こちらをクリック ↓ ↓ ↓
京粕漬け「魚久 人形町本店」
「うおきゅう」と読みます。
単品の切身、切身の詰め合わせともに、1階の店舗で購入することができますが、2階にある「あじみせ(ランチ)」がおすすめ。
ぎんだら(1,566円)は魚久名物ですが、さわら(972円)もリーズナブルな割にとても美味い。ご飯はお代わり自由となっていますので、美味しい粕漬けでたっぷりとご飯を食べられますよ。
ワタシは、お中元・お歳暮の時期になると、妻チャンの実家にこちらの魚久の詰め合わせを贈っています。美味しいのでとても喜ばれますよ。
高いものでは一切れで1,000円以上しますが、もしも自宅用ならば、早起きをして開店前の店頭に行くとお得です。なんと、「切り落とし」という名のB級品詰め合わせ(もちろん、味は同じ)を756円で購入することができます。
魚久の粕漬けは、同じ魚ならどれもほとんど同じサイズになっています。それは、魚の真ん中の太い部位を使っているから。尻尾に向かって細くなる部位は、正規の商品にはしない徹底ぶりです。その商品にならなかった部分が、「切り落とし」となっています。
くっついたり焦げ付いたり、自宅では焼き加減が難しい粕漬けです。
ぜひ、店内で焼き加減抜群の粕漬けを味わってみてくださいね。
ランチ:11時00分〜14時00分(13時30分LO)
人形町1丁目1−20
孤独のグルメ 「てんぷら 中山」
60年に渡って継ぎ足して使っているという黒いタレをかけた黒天丼(1,100円)は、濃いめの味付けが好きな方には堪らない!
ランチは早々に店仕舞いする天ぷら屋。
他に天ぷら定食(1,200円)なども。
孤独のグルメでは、こちらで松重豊さんが召し上がっていました。
- ランチ 11時15分〜13時00分
- 夜 17時30分〜21時00分(LO30分前)
- 休業 土・日・祝
人形町1丁目10−8
ビーフかつの「そよいち」
サラリーマンのランチとしてはお高めですが、観光ついでのランチにこの下町の味はぴったり!看板メニューは、サーロイン(腰肉)につながる部位である「らんいち」を丁寧にスジ切りしたビーフカツ(1,800円)。
ポークソテー(1,800円)は、焼き加減とソースが絶品。注文の際に「カット」をお願いすると、食べやすくて良いですよ。それから、臭いが気になる方は、ニンニクを抜きにするのをお忘れなく。なお、全品に豚汁が付属し、量が多いと感じる人のためにハーフサイズもあります。
こちらのオーナー&スタッフさん達は、かつて人形町2丁目の「きらく」で腕を振るっていた皆さんです。「きらく」というのれんを2丁目に残して、心機一転「そよいち」を開業されました。名店「きらく」の味は、こちらで生きています。
人形町1丁目9−6
山縣有朋卿の洋食「小春軒」
明治45年創業、こちらも下町の名店として知られた、洋食屋さんです。
内務大臣、そして内閣総理大臣を歴任した山縣有朋卿お抱えの料理人であった、小島種三郎氏が創業しました。現在は、3代目と4代目が腕を振るいます。
明治時代の味を復活させたカツ丼も良いが、揚げ物、特に串揚げが美味い!
人形町1丁目7−9
フランスの家庭料理「CHEZ ANDRE」
人形町の蕎麦屋さんの若旦那だった日本人の旦那さんと、フランス人の奥様のご夫婦が経営されています。フランスの家庭料理。
暖かい日にはテラス席も良いですよ。
フランス家庭料理 カフェ シェ・アンドレ ドゥ・サクレクール
人形町1丁目8−5
座敷だけど西洋料理「来福亭」
なつかしい昭和の洋食を食べることができます。
客席数は少ないですが、人形町の甘酒横丁から続くこの通りを、上から眺めて食べられるお店はこちらしかありません。
昭和のちょっとした贅沢、西洋料理はいかがですか。
お隣は、次の「快生軒」です。
人形町1丁目17−10
喫茶店の老舗「喫茶去 快生軒」
大正8年創業の喫茶店、快生軒(カイセイケン)です。
ブレンドコーヒーは独特の苦味があり、これぞ喫茶という味を出しています。昔ながらのテーブルと椅子は、懐かしさを感じさせてくれます。
老舗ですが、お若いマスターがいることでモダンな雰囲気を感じます。
人形町1丁目17−9
昭和2年の建築「高柳豆腐店」
昭和初期の面影を残す看板建築が特徴的な、豆腐屋さんです。地釜炊きの豆腐、豆乳が美味い。豆乳は、飲み歩きにどうぞ。
人形町界隈は、こちらのように戦災を免れた建物をちらほら見つけることができます。
人形町1丁目8−10
蛎殻町のランチ(番外編)
胃もたれせず、天麩羅の「天音」
こちらは蛎殻町ですが、路地二つ先のすぐ近くですので取りあげました。
胡麻油でさらっと揚がった黄金色の天麩羅は、まったく胃もたれしないから不思議。
カリッとした揚げたてを食べる天麩羅定食がお勧め!
また、カウンター席に座って、目で楽しむのも良い。
蛎殻町1丁目13−2
人形町1丁目はいかがだったでしょうか。
歴史あり、老舗ありの人形町。
コレド室町で映画を見て、人形町を散歩するなんて、楽しそうですね。
「それでは次回に、またお会いしましょう。」
▼こちらから記事にひとっ飛びできます
▼ハンバーガがお好きな方はこちらをクリックしてご覧ください
▼すぐ近くにパワースポット「東京の銭洗弁天」があります