この記事では、群馬県草津温泉の共同浴場を中心にご紹介しています。
共同浴場というものは、地元草津の町民が入浴するために運営されているものですが、場所や時間帯によっては、一般観光客向けにに解放されています。「もらい湯」という、お湯を頂いているという精神を忘れずに、入浴しましょう。
地図:共同浴場の場所
湯畑の役割
草津温泉は非常に高温の温泉が湧き出しています。有名な「湯畑」は、観光客向けに設けた見世物ではなくで、高温の温泉を空気に触れさせて冷ますという大事な役割を担っています。
温泉水があのように見える形で流れているのは、冷やすためなんですね。
日が暮れるとライトアップされ、とても綺麗です。
余談ですが、この湯畑は岡本太郎先生のデザインだとか。
湯あたりには注意
さて、それぞれの共同浴場には「1日に入る回数は、2〜3回にすること。」と書いてあります。1日のうちに連続して何度も入浴すると、「湯あたり」といって吐き気や目眩に襲われるので注意しましょう。
その後の1日が、本当につらい。
わたしは、どこも短時間だから大丈夫だと過信して、「湯あたり」を起こしてしまいました。合計しても湯船には10分と入っていないのですが、湯温が高過ぎたのがいけなかったのか、その日は夜まで吐き気が治まらずふらふらでした。皆さんも、1日を台無しにしないよう気を付けてくださいね。
原因ははっきり解明されていないようですが、年齢や体力の有無ではないようです。20代の若いころにも経験しましたので。(→学んでいない)
草津温泉の共同浴場
それでは、草津温泉の共同浴場をご紹介します。
なお、わたしは温泉マニアではありませんので成分や源泉の名前は記載しませんが、共同浴場の様子が一目でわかるよう、写真付きでご紹介します!
温度が高い順にどうぞ!
凪の湯(なぎのゆ)
隣の饅頭屋のおじさん(試食がめっぽう強引だけど、購入した後はいいひとに見えてくる)が、「草津で一番熱い!」と言っていた共同浴場です。実際に湯船に足を浸けてみると、その言葉は本当でした。
10秒と耐えられない常識外の熱さ。熱いというより痛くて、思わず悲鳴を上げてしまいました。頑張って我慢しても10秒程度しか浸かっていないのに、わたしの足裏はその後半日に渡ってヒリヒリ。
強酸性のお湯と相まってものすごい殺菌効果がありそうですが、子供は絶対にダメ!入らないでください!
リアルに生死に関わりますよ、ここは。
これほど熱いお湯は草津ぐらいにしか無いと思いますので、そういう意味では話しのネタに面白いかもしれない共同浴場です。
実際、わたしは職場でランチタイムのネタにしました。
煮川の湯(にかわのゆ)
「煮えたぎった川のお湯」でしょうか。
想像しただけで想像がつくだけに、怖いですねぇ。
扉を開けるとすぐに階段。
階段を降りたところに脱衣所があります。
鍵のかかるロッカーはないので、財布、鍵、スマホなどの貴重品は、袋に入れて浴場に持っていきましょう。ジップロックがあると便利ですよ。
ここ煮川の湯に関しては、他の温泉好きの方のHPには「町民専用」との記載を見つけました。しかし実際のところは、入り口にそのような掲示はなく、皆さん普通に入浴していましたので制限は無いようです。
温泉の方ですが、入ってみると名前に嘘偽りなく、熱過ぎるくらい熱い温泉です。数秒間の入浴を二度、三度と繰り返しては体を慣らし、最後に30秒の釜茹で。これで十分に茹で上がり温まります。熱すぎて、小学校高学年以上でないと無理だと思います。
なお、ここは湯舟の横に綺麗な源泉が湧き出していて、温泉を飲むことができます。しかし酸味がめっぽう強く、歯に金属の詰め物(クラウン)があると、物凄く不快な後味を残すので、覚悟して飲んでください。
ミネラルはたっぷり入ってそうですよ。
関乃湯(せきのゆ)
ここは、子連れのパパに一番おすすめの共同浴場です!
とにかく狭小浴場。
脱衣場も洗い場も湯船も、全てがとても狭い浴場です。
大人なら、二人入れば満員です。
だから、子供と一緒ならたいていの場合は貸し切り状態。
湯船が小さく湯量が少ないので、蛇口の水を入れて簡単にお湯の温度を下げることができます。草津らしく熱い温泉ですが、調整しやすいので安心です。
小さなお子さんが一緒でも入浴しやすく、目が届きやすい。
さらに、お湯の温度を下げても、蛇口の水を止めればすぐに熱くなりますから、次の方に迷惑をかけません。
しかも!ここは男女が隣り合っていて天井部分がつながっています。声が筒抜けなので、ご家族が男女同じタイミングでそれぞれ入ると、お話しすることができます。
ただし、窓が歩行者が多い道路に面しているので想像以上に声が漏れます。入浴中に「う〇こ」とか変なことを言わないように、お子さんの言葉には注意しましょう(笑)
千代の湯(ちよのゆ)
ここでは、事前に申し込むことで、草津名物の時間湯に入ることができます。湯長という選ばれた指導員が見守る中、号令に合わせて高温の湯舟に入ります。
時間湯は正面の扉、一般の浴場は右の扉が男性用、左の扉に女性用があります。
ここ千代の湯も鍵のかかるロッカーはありません。貴重品はビニール袋に入れて浴場内に持ち込みましょう。財布や車の鍵、スマホを棚に残して入浴中に、盗難被害に合うケースがあるようです。
日本だからって、安心してはいけません!
大人でも5〜6人は同時に入れそうな湯船。
かけ湯をして恐る恐る足を入れると、なんと適温でした。
これなら、ゆっくり入れます。
ここ千代の湯以降にご紹介する浴場は適温で、小さなお子さんでも水で薄めずに入浴できそうです。
入り口には地下水が出る水道があって、お風呂あがりに冷たい水を飲むことができます。入浴の後には忘れずに水分補給をしましょうね。
なお、日が暮れると入り口は真っ暗ですが、人感センサーで照明が点灯します。閉まっていると勘違いして、引き返さないようご注意を。
地蔵の湯(じぞうのゆ)
ここ地蔵の湯は、草津温泉でも数少ない濁り湯です。
脱衣所と一体のなかなか大きな湯舟です。
温泉には硫黄成分をたっぷり感じます。
無料の共同浴場の中でも、ここは湯船も天井も広々として開放感があり快適でした。しかも、お湯は熱すぎず快適。
湯船は写真で見る以上に広くて、蹴伸びができるぐらいの幅がありました。
また、ここは目の前に荷物が見えるので、防犯面でとても安心ですね。
この時のように混雑さえしていなければ、最高の浴場です。(かつて入浴した際は、けっこう混雑していました。)
入り口に、永六輔先生作詞の「いい湯だな」が掲示されていました。全文を見ることってなかなか無いですよね。最後まで頭の中で歌ってしまいました。
地蔵の湯の前には、源泉と足湯があります。
地蔵の湯の源泉
足湯はかなり熱い、1分浸かるのも苦痛。
その他の浴場
ここから先の2か所は共同浴場ではありませんが、とてもよいところですので併せてご紹介します。
御座之湯(ござのゆ)
木材をふんだんに使用した、有料の豪華な入浴施設です。(大人600円)
江戸時代の文献にある御座之湯を、近年復活させたものです。源泉のひとつには、源頼朝公に由来する「白旗源泉」を引いています。
有料施設だけあって、トイレやロッカー、シャワーにシャンプーやボディーソープもあって、スーパー銭湯と同じ感覚で入浴することができます。
浴室の中には、それぞれ異なる源泉から引いたやや熱めの二つの湯船があります。やや熱めといっても、小学生のちびっこ達が普通に入れるぐらい。
浴室内の写真は、公式サイトでご覧ください。
二階には利用客が自由に使える大座敷があって、入浴後にここで休憩するとすっきりしますよ。寝ているひとが大勢いました。窓から見る湯畑の景色も、なかなかよかったです。
こちらは、御座之湯の目のまえにある白旗源泉です。
源頼朝公に由来するそうですが、ネットで調べみると(←Wikipedia大好きです)当時のことを記した吾妻鏡には何ら記述が無いそうです。
確かに、頼朝公が直々に上野国まで遠征したという話は聞いたことがありませんね。東京から草津に向かう途中の川原湯温泉(八ッ場ダム建設で移転した温泉地です)にある王湯(おうゆ)も、源頼朝公にちなむ温泉でした。
ちなみにこの源泉、たくさんの硬貨の残骸が沈んでいます。日本人は、こういう水が溢れる場所を見るとお金を投げ込みますよね。何に祈ってるのかさっぱりわかりませんが。硬貨が投げ込まれると、源泉維持の妨げになるようです。
お金を投げ込むのはやめましょう。
案内板にも書いてあります。
旅館ゆたかの内湯
最後は旅館になります。
こちらは、素泊まり歓迎、お子様連れ大歓迎の宿になります。
一号室
二号室
三号室
ここ「ゆたか」には、食堂にプレイスペースがあったり、壁に絵があったりして、子供が楽しめるよう配慮がたくさんあります。赤ちゃんやお子さんの元気な声に気兼ねすることなく、草津を思いっきり満喫できる宿です。
浴場は全て貸し切りで使えるので(空いていればいつでも何度でも!)家族旅行には最適ですよ!
温泉はしっかり源泉掛け流し、草津の酸性の温泉を使用しています。
肌の弱い赤ちゃんには、浴室内に地下水を使ったお湯のお風呂も併設されていますから、とっても安心です。(写真右に移っている小さな浴槽)
草津温泉まとめ
草津温泉には、旅館に備え付けの浴場だけでなく源泉が異なる共同浴場がたくさんあります。 これを楽しまない手はありません。お気に入りの浴場を見つけてみましょう!
- 共同浴場ではいろいろな源泉をいろいろな浴場で楽しめます
- 共同浴場ならではの地元感を味わえます
- 誰もが知る湯畑だけでなく、共同浴場を探して散策するのも通の楽しみ
- せっかくの温泉地です、温泉を思いっきり楽しんでください!
- 先客がいる場合は「こんにちは!」で気分よく
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