この記事では、東京大学本郷キャンパス内にある東大総合研究博物館をご紹介します。東大総合研究博物館は学術標本を中心に収蔵していて、明治10年の東京大学創学以来の600万点に及ぶ学術標本のうち、都内に点在する博物館全体で300万点を収蔵しています。
丸の内KITTE内にある「インターメディアテク」も、東大総合研究博物館のひとつです。
東大総合研究博物館 本郷本館
東京大学本郷キャンパス、旧前田家邸宅の遺構がある懐徳門から入るとすぐです。
マップ:東大総合研究博物館の周辺
加賀前田家の上屋敷跡地
本郷キャンパスの大部分は、加賀藩前田家の上屋敷の跡地になります。江戸開府当初は、上屋敷は和田倉門の辰ノ口にあったとされていて、人文社発行「江戸東京散歩」で辰ノ口を調べると、現在の東京海上日動、新丸ビルのある辺りにあったようです。火災により消失し、下屋敷であった本郷邸が中屋敷に機能を変え、新たな上屋敷も火災で消失したことなどから、本郷邸は上屋敷となりました。
写真は懐徳門と邸宅の遺構です。
明治に入ってから建ったという前田家の洋館の土台から上の部分です。門を作る際に発掘して移設展示されています。
東大総合研究博物館は無料です
博物館に入りましょう。
東大総合研究博物館の入場料は無料となっています。素晴らしい!
博物館に入ると、隕石や鉱物、剥製などが目に入ってきます。
さすがは東大、カバーしている範囲が広い。
博物館は研究施設にもなっていて、研究室の一端を見ることができます。
もちろん本物の象の骨格標本、化石では無いだけにリアルです。
「剥製や標本は、生命の歴史であり大きな遺産。学者の好奇心が、その価値を最大化する。」そんな言葉が展示にあった気がしますが、少し言い回しが違うかもしれません。
お目当のの赤門展は奥に
発掘された前田家上屋敷の陶磁器や屋敷図が展示されています。また、赤門の明治期からの変遷を、貴重な写真で見ることができました。
タイミングよく、発掘に関わったと思われる教授(たぶん!)が、関係者を引き連れて説明しているところに遭遇しました。せっかくなので、さりげなく紛れ込み、話を聞かせてもらいました。こんな偶然も、ちょいちょい博物館を訪ねているとあること。
赤門は、将軍家から前田家に嫁いだ溶姫の為に建てられたもの。
明治以降、撤去の話がありましたが、学内関係者を中心に保存に尽力されいまの姿があります。明治維新と呼ばれるものは、無教養に破壊するのが好きらしい。
こちらの写真では、明治期からの変遷がよく分かります。赤門は、本郷キャンパスの建築計画により、当初の位置よりも14メートルほど移動しているって知っていましたか?
赤門を入ったところにあった溶姫御殿と呼ばれる屋敷では、本国加賀ではなく、江戸前の食材が使われていたことが、発掘された魚や鳥の骨、貝殻から確認できたようです。
さらに、発掘された徳利から分かったことがあります。
徳利の底にはには必ず酒屋の屋号が描かれていて、どこからお酒を仕入れたかわかります。それにより、溶姫御殿には、加賀藩前田家とは異なる酒屋が出入りしていて、それは江戸城に出入りする酒屋とも違ったそうです。
つまり、溶姫御殿は、将軍家や前田家と異なる独自の運営がされていたようです。
これらも、発掘された陶磁器や瓦です。当時の姿をしっかり残しているものもありました。
この赤門展は、2017年5月28日まで開催されていた企画展です。東大総合研究博物館 本郷本館では、年に数回の企画展示が催されており、通年楽しむことができます。それほど大きな博物館ではありませんが、本郷キャンパスを出て北に歩くと、谷根千と呼ばれる人気のスポットに行きことができます。
上野から谷根千を巡る、休日のお出かけコースに加えると、きっと新しい発見があって1日が楽しくなると思いますよ。
See you again.
貴方の休日の彩りが豊かになりますように。
【DATA】
- 東大総合研究博物館
- 最寄り駅 大江戸線・丸ノ内線 本郷三丁目
- 東大懐徳門から入ってすぐ!
- グーグルマップで見ると同名の博物館がキャンパスの中央にありますが、それは別の施設ですのでご注意ください。
- 東京大学総合研究博物館
すぐ近くにあるこちらの美味しいカフェが休憩に便利です。↓ ↓ ↓